「税法上と特別法上の準備金の違い(図表)」

 

2020年(令和2年)8月20日(最終更新2021年8月19日)

寺田 誠一(公認会計士・税理士)

 

 

・租税特別措置法上の準備金の表示

 

 固定資産の特別償却準備金など、租税特別措置法上の準備金の表示は、次のとおりです。

 

① 企業会計原則注解18の引当金に該当するもの

 これらのものについては問題なく、流動負債・固定負債に記載されます。ただし、このような場合はまれであると思われます。

 

② 注解18の引当金に該当しない利益留保性のもの

  これらのものについては、損金経理を行い、負債の部に計上することは認められません。したがって、積立金の一種として純資産の部に計上し、税務上は申告書で調整することになります。大部分の準備金は、こちらに該当します。

 

 

・特別法上の準備金の表示

 

 特別法上の準備金とは、特別の法令により、負債の部に計上することが強制されているものです。具体的には、金融商品取引法による証券取引責任準備金・取引損失準備金、商品取引所法による商品取引責任準備金、金融先物取引法による金融先物取引責任準備金、保険業法による責任準備金・異常危険準備金、電気事業法による渇水準備金などです。これらの表示は、次のとおりです。

 

① 企業会計原則注解18の引当金に該当するもの

 これらのものについては問題なく、流動負債・固定負債に記載されます。ただし、このような場合も、まれであると思われます。

 

② 注解18の引当金に該当しない利益留保性のもの

 これらのものについては、やむを得ないので(特別法は一般法に優先)、損金経理を認めています。ただし、本来の負債でないことを明らかにするため、流動負債・固定負債ではなく、固定負債の次に「特別法上の準備金(特別法上の引当金)」の区分を設けて記載します。

A:資産の部に記載される引当金(貸倒引当金)

B:負債の部に記載される債務性のある引当金(製品保証引当金、売上割戻引当金、賞与引当金など)

C:負債の部に記載される債務性のない引当金(修繕引当金、特別修繕引当金など)

D:「特別法上の準備金」に記載される利益留保性の準備金(特別法によるものに限定)

 

 

※本稿は、次の拙著を加筆修正したものです。

寺田誠一著 『ファーストステップ会計学 第2版』東洋経済新報社2006年 「第11章 負債と引当金繰入額 4 税法・特別法上の準備金」 

 

 

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