「仕訳の訂正」

 

2019年(令和元年)10月1日(最終更新2021年7月5日)

寺田 誠一(公認会計士・税理士)

 

 

・勘定科目の訂正

 

(設例)

 普通預金より自動引き落としで支払った複写機のリ-ス料30,000円を、消耗品費で処理していたが、賃借料に訂正したい(消耗品費から、賃借料に振り替えたい。)。

 

 次のような仕訳が行われていたわけです。

(借)消耗品費 30,000  (貸)普通預金 30,000   

 

 借方(左側)の消耗品費という勘定科目を、賃借料に変更したいわけです。パソコン処理の場合には、科目の入力を訂正すればよいので簡単ですが、ここでは上記の仕訳はそのままにしておいて、別途に訂正仕訳を考えてみたいと思います。2つの方法があります。

 

 ① 逆仕訳をする方法

 

 前の仕訳を逆に仕訳して削除します。すなわち、借方(左側)の消耗品費を消すため、貸方(右側)に消耗品費を計上します。貸方(右側)の普通預金を消すため、借方(左側)に普通預金を計上します。これで、元の仕訳は取り消されたことになります。そして、改めて、借方(左側)に賃借料という新しい勘定科目の仕訳をします。

 

(借)普通預金 30,000  (貸)消耗品費 30,000

(借)賃借料  30,000  (貸)普通預金 30,000   

 

 ② 新しい勘定科目に振り替える方法

 

 借方(左側)に計上されている消耗品費30,000円を消したい、つまり費用を減少させたいので、反対側である貸方(右側)に消耗品費30,000円を記入します。そして、新しい賃借料という費用の増加を、本来の場所である借方(左側)に記入します。

(借)賃借料 30,000  (貸)消耗品費 30,000

 

 旧勘定科目から新勘定科目に振り替えたいときの振替仕訳は、まとめると次のとおりです。

① 旧科目の計上されていた場所の反対側に旧科目を記入し、旧科目を取り消します。

② 旧科目の計上されていた場所と同じ側に新科目を記入します。

 

 借方(左側)の勘定科目を変更したい場合の仕訳は、次のようになります。

(借)旧  科  目 ××× (貸)○  ○  ○ ×××…もとの仕訳

(借)新  科  目 ××× (貸)旧  科  目 ×××…振替仕訳

 

 貸方(右側)の勘定科目を変更したい場合の仕訳は、次のようになります。

(借)○  ○  ○ ××× (貸)旧  科  目 ×××…もとの仕訳

(借)旧  科  目 ××× (貸)新  科  目 ×××…振替仕訳

 

 

・金額の訂正(入金の訂正)

 

(設例)

 売掛金90,000円が誤って100,000円普通預金に振り込まれた。差額10,000円につき、振込数料500円を差し引いて9,500円普通預金より振り込みで返金した。振込手数料500円は、普通預金より金融機関に支払った。

 

 入金のとき、次のように処理したとします。

(借)普通預金 100,000 (貸)売掛金 100,000

 

 貸方(右側)の資産の減少である売掛金10,000円を取り消すため、借方(左側)に資産の増加として売掛金10,000円を計上します。貸方(右側)の普通預金は、まとめて10,000円としてもかまいません。

(借)売掛金 10,000 (貸)普通預金  9,500

               普通預金       500

 

 入金のとき、差額10,000円について、負債の増加である仮受金(または預り金)で処理していたとします。この場合には、返金のとき、借方(左側)に負債の減少として仮受金10,000円を計上します。

(借)普通預金 100,000 (貸)売掛金 90,000

               仮受金 10,000

 

(借)仮受金10,000 (貸)普通預金  9,500

               普通預金         500

 

 

・金額の訂正(支払いの訂正)

 

(設例)

 法人会の会費24,000円を誤って普通預金より二重払いしており、振込手数料500円を差し引いた23,500円が普通預金に振り込みで返還された。

 

 諸会費24,000円が次のように誤って2回計上されており、これをどのように訂正するかという問題です。

(借)諸  会  費 24,000 (貸)普通預金  24,000   

(借)諸  会  費 24,000 (貸)普通預金  24,000   

 

 返却代金が普通預金に振り込まれたので、普通預金の増加です。また、諸会費を1回取り消すので費用の減少であり、本来の場所の反対側である貸方(右側)に諸会費を記入します。さらに、振込手数料が当社負担なので、支払手数料という費用の増加であり借方(左側)に記入します。

(借)普通預金  23,500 (貸)諸  会  費 24,000  

  支払手数料     500                      

 

 なお、2回目に支払ったとき、気が付いて、仕訳は仮払金としていた場合には、返金されたときの貸方(右側)は仮払金とします。

(借)仮 払 金 24,000 (貸)普通預金  24,000

 

(借)普通預金  23,500 (貸) 仮 払 金 24,000  

     支払手数料      500

 

 

※仕訳の訂正の設例は、「現金預金の内容と会計処理(仕訳)」にもあります。

※複合仕訳の単一仕訳への分解については、「複合仕訳の単一仕訳への分解」参照。

※実務的な消費税のパソコン入力方法については、「税込経理方式・税抜経理方式と仕訳入力」「消費税の内税入力」参照。

※このウェブサイトの趣旨については、「ご挨拶」参照。