「2025年 基礎控除と所得金額調整控除」
2020年(令和2年)11月1日(最終更新2025年12月21日)
寺田 誠一(公認会計士・税理士)
・基礎控除
所得税の年末調整や確定申告にあたり、配偶者や扶養親族のいない人でも、基礎控除は計上することができます。いわば、基礎控除は、自分自身の分の控除(所得のマイナス)と考えられます。
従前、基礎控除は誰でも一定額でした。しかし、2020年分(令和2年分)の改正により、所得者本人の合計所得金額(※1、※2)により、4段階に変動するようになりました。
さらに、2025年分(令和7年分)の改正により、8段階となりました。物価上昇に給与上昇が追い付いていないということで、基礎控除の額も引き上げられました。
※1: 所得税は、所得の種類を、給与所得・事業所得・不動産所得などに分けて計算しますが、合計所得金額とは、簡単にいえば、それらの所得の合計です。
※2:「所得」とは、収入から経費を差し引いた金額です(利益に相当)。給与の場合には、経費は実際に計算しないで、定められた一定の額とすることができます。これを「給与所得控除」といいます。たとえば、給与収入が1,600,000円ならば、経費である給与所得控除650,000円を差し引いた後の金額は950,000円となり、基礎控除額950,000円以下なので、所得税はかからないということになります。
基礎控除は、具体的には、次の表のとおりです(※3)。
|
合計所得金額 |
給与収入だけの場合の収入金額 |
基礎控除額 |
|
132万円以下 |
200万3999円以下 |
95万円 |
|
132万円超336万円以下 |
200万3999円超 475万1999円以下 |
88万円 |
|
336万円超489万円以下 |
475万1999円超 665万5556円以下 |
68万円 |
|
489万円超655万円以下 |
665万5556円超 850万円以下 |
63万円 |
|
655万円超2350万円以下 |
850万円超 2545万円以下 |
58万円 |
|
2350万円超2400万円以下 |
2545万円超 2595万円以下 |
48万円 |
|
2400万円超2450万円以下 |
2595万円超 2645万円以下 |
32万円 |
|
2450万円超2500万円以下 |
2645万円超 2695万円以下 |
16万円 |
※3:合計所得金額が25,000,000円を超える場合には、基礎控除の適用を受けることはできません。
・所得金額調整控除
2020年(令和2年)より、所得金額調整控除が新設されました。給与所得者には、給与所得控除という一定の割合で認められる経費があります。この給与所得控除は、給与がある水準を超えると据え置きとなり、それ以上は増加しません。その給与所得控除の上限が、従前は給与収入10,000,000円だったのが、2020年(令和2年)より、8,500,000円に引き下げられました。
それにより、給与収入8,500,000円から10,000,000円の間の人は、増税になります。そこで、例外的に、次のような方(障害者のいる世帯と子育て世代)は、実質的に増税にならないように、従前の給与所得控除と同じ額を控除するようにしたものです。
① 所得者本人・同一生計配偶者・扶養親族のいずれかが特別障害者(※4)
② 23歳未満の扶養親族がいる世帯(年齢は年末時点)
※4: 特別障害者:重度の知的障害者、1級の精神障害者、1級・2級の身体障害者など。
具体的には、次のような計算になります(従前の8,500,000円から10,000,000円の間の給与所得控除の率は10%だったので)。
(給与収入(※5)-8,500,000円)×10%=給与所得から控除(※6)
※5:10,000,000円を超える場合には、10,000,000円とします。
※6:最大150,000円となります。
年末調整のときの所得金額調整控除申告書には、上記の計算結果の記入欄はありません。計算は勤務先(給与支払者)が行うことになっています。
※年末調整全体の流れ・手続きについては、「年末調整の仕組みと申告書…ひとり親と寡婦の違い」参照。
※同一生計配偶者と控除対象配偶者と源泉控除対象配偶者の違いについては、「同一生計・控除対象・源泉控除対象配偶者の違い」参照。
※給与所得控除の図解については、「給与所得控除の意味・計算・面積図」を参照。
※累進税率の図解については、「累進税率の意味・計算・面積図」を参照。
※このウェブサイトの趣旨については、「ご挨拶」参照。